景観法おぼえがき

2006-12-10移働する診断士

比較的新しい街づくりに関する法律「景観法」についての覚え書きです。

景観法は景観緑三法のうちの一つとして2004年6月18日に公布された

景観法の基本理念
・良好な景観は現在及び将来における国民共有の資産
・地域の個性を伸ばすように多様な形成を図るべき

景観行政を司る機関として景観行政団体を設置する。
・47都道府県・政令指定都市・中核市はすべて景観行政団体となり、その他の市町村は都道府県との協議・同意により景観行政団体となることが出来る。
・都道府県は市町村が担当する以外の景観計画区域を所管する。

景観計画
景観行政団体がその考え方を示し、区域を定めて一定の行為に対して景観形成上の基準を設けていくもの。
・都市計画区域外でも指定可能
・建築物の建築等に対する届出・勧告を基本とする緩やかな規制
・条例で定めた場合はデザインや色(形態意匠)に対して変更命令が出せる
・届出対象行為について条例で付加する事も適用除外にすることも出来る
(建造物の新築、増築、改築もしくは移転、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替または色彩の変更)
(工作物の新築、増築、改築もしくは移転、外観を変更することとなる修繕もしくは模様替または色彩の変更)
(都市計画法に規定する開発行為)
(上記3つ以外は条例規定)
・現行の景観条例を景観計画へ移行することが可能
景観地区
景観計画よりも、より積極的に景観の形成や誘導を図りたい場合に定める
・都市計画地域内に指定。(地域外の場合は準景観地区となる)
・建築物の建築等の行為に対して一つずつ、景観法に基づく認定と建築基準法に基づく建築確認でその内容を担保していく
・景観地区は美観地区を発展させたもの
・景観地区の規制は以下の4つが基準。うち意匠形態以外は選択制
(建築物の形態意匠の制限)
(建築物の高さの制限)
(壁面の位置の制限)
(建築物の敷地面積の最低限度)
・基準自体は厳しいものとすることも、緩やかなものとすることも可能
・地区計画(都市計画法)に景観地区と同様の仕組みを導入することが可能
景観重要建造物および景観重要樹木
地域の景観上の核となるような景観上重要な建造物や工作物、樹木を指定
・現状変更についての許可が必要
・日々の管理行為については許可不要
・住まいつづけながら、地域景観上重要な建造物を維持・継承していくことが可能な仕組み
・相続低の適正評価が可能
・市や景観整備機構と所有者が管理協定を締結して管理することが可能
景観重要公共施設
景観上重要な公共施設(道路、河川、公園、海岸、港湾、漁港等)についての景観計画
景観農業振興地域整備計画
・以下の3点を定める
(景観農振計画の区域)
(区域内における景観と調和の取れた土地農業上の利用に関する事項)
(区域内における農用地及び農業用施設その他の施設の整備)
・景観と調和の取れた農業的土地利用についての勧告
・通常は農家等に厳しく制限されている農地の利用権の取得等について景観整備機構が行うことが可能な仕組み
自然公園法の特例
景観計画に自然公園法の特例を位置付けることにより、自然公園区域内外にわたって一体的に、景観を形成する為の基準
文化的景観の規制内容を景観法で担保
都道府県又は市町村の申し出に基づき文部科学大臣が「重要文化的景観」を選定し支援
景観協議会
関係する他の公共団体や公益事業者、住民等の関係者を加えて良好な景観形成に向け教示を行う場となる協議会が設置される
景観協定
景観に関する事柄をソフトな点まで含めて、住民間の協定により一体的に定めることが出来る仕組み
景観整備機構
景観に関する住民の取組の支援を行うこと、所有者と協定を結び景観重要建造物や樹木の管理を行うこと当が可能。
・景観は、仮に整備により一時的によくなったとしても、長い期間も守り育てていく為には、地域の様々な主体による持続的な取組みが必要不可欠

以上