建築空間に於ける境界
今月の建築塾は「建築空間に於ける境界」と言うテーマで保坂陽一郎の講義がありました。
「境界」・・・土地・(二つのものの間)の境<新明解国語辞典>
・・・さかい、区域<広辞苑>
ただし、境界とははっきりここからがAでここがBとしているものでもないらしい。
境界に潜むあいまい性を指すこともあるらしい。
建築空間と銘打ってはいますが、建築と言うものが建物だけでなく、敷地「土地」もあり
はたまた、人と人の心の境界まで指していたのが特徴的でした。
1.境界のとは・・・必ずしもはっきり二つのものを分けるものではないと言うこと
2.都市においての境界・・・土地の性格による分かれ目
・・・行政区域としての分かれ目
3.公から私へのアプローチ・・・日本の民家・町屋のヒエラルキー
(表<公>と裏<私>)
・・・アルジェのカスバのヒエラルキー
(下<私>と屋上<公>)
4.部屋と廊・・・中世から近代への部屋ごとの機能分化
5.空間の一体化・・・上記のゆり戻し
6.境界を構成する道具としてのスクリーン
7.柔らかい教会の創出へ・・・「現在の景観を含めて建築群の問題」
<場所の現象学>
・あまりにも整然として予想が出来る
・単機能である
・困難の含有性を目指すのではなく排他している
・距離と言う意味の近さ
・経験が平準化している(過去や未来の暗示がない)
8.議論
・土地財産としての境界問題、セキュリティー関連
公私共の共がなくなりつつある
・地域のコミュニティーにあったものを如何に設計できるか
・住宅と外部の交流が減ってしまっている(領域・個人のプライバシー重視)
・人と人の挨拶(相手に対する思いやり・人様への考え方)