計画を作るということ(その4)

2023-01-26移働する診断士

10年に一度の寒波がやってきた(2023年1月26日時点)という事ですが、いかがお過ごしでしょうか?
前回、会社の目標の一つとしてSDG’sなども導くしてんだとあげましたが、地球環境は人々の経済活動で大きく変化しているのは事実だと思います。私のネットワークの一つにエネルギー関連のグループがあるのですが、そこの主宰の方のエネルギー関連の本を年明けから読んでいて、日々のコンサルティングではどうしてもミクロ視点になりがちですが、マクロ視点の大切さを改めて感じたところでした。今朝の日刊工業でも、1864年以前の1月の平均最低気温はマイナスだったという記事があり、確実に温暖化は進んでいるのだと実感しました。(一方で氷河期がやってきているという話もあるので、地球環境は本当に複雑ですね。)

さて、計画を作るという事で、前回は、事業の目的を考えてみました。その目的を達成していくために事業計画を立てていくわけですが、この時に以前チラッと話をした2つの視点が必要になります。それが、フォーキャストとバックキャストです。

フォーキャストとは、「Forecast」で予測するですが、バックキャストはそのまま英語で出てこないので、無理やり訳すと「back」うしろに、「cast」向けるでしょうか?目的到達点から後ろに向かって進むと捉えればいい気がします。この二つの視点で計画を立てると現実的な計画になるのではないかという事です。

先に、バックキャストですが、事業の目的を達成した時点の会社のあるべき姿をまず考えます。それは、売上目標でもいいのですが、もっと、自社が社会や業界の中でどういった立ち位置でどういったことをやっているかをブレイクダウンするといいです。そこから、現時点に向かって何が足りないのか?何をしていけばいいのかを考えていくことで、あるべき姿への道筋をたてていくことができるという思考になります。こうすることで、夢を実現することに一歩近づけます。よく夢を実現したと言われる人に聞くと、このバックキャストを自然におこなっているそうです。また、このやり方のいいところは、未来の姿に制限がかかりにくいところです。制限がかかりにくいので思い切った目的を達成することができると言われています。(必ずしも、誰でもできるというわけではなく、そのための努力も必要だとは思いますが・・・・)

続いて、フォーキャストは、会社の今の時点から未来を予測するので、今の状態を続けていったらどうなるのか?今の状態を変更するならどうなるのか?または、すでに今から行うことが明確で、それを行っていった場合にどうなるのかというふうに考えていきます。ただし、VUCA(予測不能)な社会と言われているので、必ずしも、予測の前提が続くとは限りません。90年代以前は社会の変化の流れも比較的緩やかだったのでフォーキャストの考え方で充分でしたが、自身が置かれている環境がどうなのかを見極めて、フォーキャストを行う必要はあります。ただ、そうそう事業の本質を変えることはないと思うので、事業を継続していくための計画であればフォーキャストがまず最初にくると思います。

事業計画が新しい取り組みのためや、変化に対応していくための計画ならば、フォーキャストとバックキャストを併用していくのがおすすめです。バックキャストで道筋を立てて、フォーキャストでその道筋が実現可能かを判断していく。これを何回か繰り返すことで目標達成の確度を上げていくことが可能になります。

さて、今回は、フォーキャストとバックキャストの考え方を説明しました。フォーキャストは一般的に行われているので、予測しやすいですが、バックキャストはまだそれほどではありません。このバックキャスト思考に向くフレームワークとして、経営デザインの考え方があります。これについて次回は説明します。