日本の森巡り第1回:森林がなぜ必要なのか、日本の森の現状
日本は森林列島という言葉がある通り緑と水が豊富な国です。その言葉は本当で都市部でこそ緑が減っていますが、日本列島全体では森林が増え続けているそうです。今日本の森林がどうなっているのかを神楽坂建築塾にて宮城県くりこまへ行ったときに、聞いた話をもとに記事にまとめました。1回目の今回は日本の山が今どうなっているのかを紹介します。
1.森林がなぜ必要なの?
森林破壊は注目されるけどなぜ森林が必要なのでしょうか?温暖化対策として森林を増やして二酸化炭素を減らそうという話もあります。
◎空気を作る装置
実は、木も呼吸しています。呼吸しているという事は、酸素を吸って二酸化炭素を吐いているのです。ではなぜ二酸化炭素が減るのでしょうか、それは呼吸と全く違ったプロセスで酸素を作り出しているのです。中学校の頃の生物を思い出してください。
酸素を作る行為は光合成によって行われているのです。しかし植物にも老朽化があります、年を取ると光合成の能力が落ちていくのです。
ですから、酸素の量を増やすには古い木を固定し新しい木を育てる必要があります。
◎森が水を作るのか
森は水を大量消費します。木は光合成の為に水を必要としているのです。だから森の木が水を作る訳ではなさそうです。その水はどこからくるのか?それは、 天から降ってくるのです。その降って来た水を溜め込んでいく事が森には出来るのです。土に対しての浸透機能が重要ということですね。
森の保水は土が主役と言う事ならば、土だけあれば良さそうです。では木はどういった役割をするのでしょうか?
それは土を保つ為に木が必要という事です。土砂崩れを防いだり、水が地表を流れていってしまう事を防ぐ為に木が必要なのですね。これは、広葉樹林、針葉樹林どちらでも保水力を保つ事が重要なのです。
森林を破壊して団地等を作ると近辺の井戸の水位が下がったり枯れたりするのはこの為です。
2.日本の山ってどんなもの
日本の森林の現状はどうなっているのでしょうか?
[note]
木材の蓄積量:1995年 35億㎥
2002年 40億㎥
2009年 45億㎥
年間8000㎥ずつ増加
年間の日本の木材消費量 7797万㎥
<林野庁業務統計データ>
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日本の木材の蓄積量は年々増えているのが分かるかと思います。この量は56年間木材を輸入しなくても良いことになる。
自給率100%が可能等言う事です。
[note]
日本の森の割合はどうったものか?
天然林 53%
人工林 41%
その他 6%
<林野庁業務統計データ>
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[note]人工林は杉檜松で9割
それらは8〜11齢級(1齢級は5年なので40〜55年生)の木材が5割[/note]
森林自体は超高齢化社会ということになります。先ほども書きましたが高齢化した森林は光合成の起こりにくい森林の為、
森林自体は増えていても温暖化対策にはなりにくいという事になります。
次回はこの日本の森林で起こっている問題や活用方法を掘り下げていきます。また森林を巡る旅も提案していきます。
日本の森巡り
第1回 森林がなぜ必要なのか、日本の森の現状
弟2回 日本の森で起こっている事、外材問題
弟3回 森と建築の活用、森を巡る旅へ