子供が喜ぶ遊具いろいろ。【この一冊】Play Stracture
7つの場が必要
子供が喜ぶ遊具をデザインする環境デザイン研究所:仙田満氏の子供の遊び空間を分析し作られた建造物の作品集。仙田氏の提唱するプレイストラクチャーとは、「遊具をはじめとした遊びの空間装置であり、子供たちの遊び環境の構成体をさす。子供に取っては遊びが生活のほぼすべてである。よって小さな子供に取っての生活環境=遊び環境でありその構成体をさす。」(本文より)そして遊びの環境の戦後の生活スタイルの変化による影響を研究し、そこから生み出された遊び空間の実例をこの本の中で紹介しています。
有名な例が85年の筑波万博のおもしろチューブで。黄色い鉄で出来たチューブのなかを子供たちは駆け巡る。私もその中で遊んだ子供の一人でした。大人も一度は遊びに行ってみたい遊具が色々です。
書籍情報
¥ 18,000 JPY
この一冊
本の構成
前半では研究成果が書かれています。子供場遊び場が与える影響を研究し、6つの遊び空間が子供の遊び場に取っては大切な事を述べている。それは、
1.自然スペース、2.オープンスペース、3.道スペース、4.アナーキースペース、5.アジトスペース、6.遊具スペース。
その中の遊具スペースの役割と構成として田の空間と取り入れながら「遊環」という空間構造を導きだしその特徴を、(1)循環機能がある事、(2)その循環(道)が安全で変化に富んでいる事、(3)その中にシンボル性の高い空間、場がある事、(4)その循環に「めまい」を体験できる部分がある事、(5)近道(ショートサーキット)ができること、(6)循環した広場、小さな広場等が取りついている事、(7)全体がポーラスな食う有漢で構成されている事としている。
後半では前半の実践として「7つのプレイストラクチャー」を紹介。
野中保育園「野中ザウルス」
3.遊環のプレイストラクチャー
滋賀県立びわ湖子供の国「虹の家」
4.広場のプレイストラクチャー
池田町 風の丘
5.大屋根のプレイストラクチャー
兵庫県立南但馬自然学校 大屋根広場
6.小さなプレイストラクチャー
メイズプレイス
長崎市科学館「ふしぎタワー」
所感
子供の感性に訴える遊び空間ではありますが、子供にとって楽しい空間は大人にとっても楽しい。それは人間の本能をくすぐるからではないだろうか?また遊びが子供にとって大切なのはその中から子供が様々な事を考え、学び、そして成長していくからだと思う。子供のうちから学習させるのではなく、遊ばせる事が一番の勉強なのではないか。その為の素材は本当は子供の暮らす日常空間にあふれていた筈なのに、それらの場が奪われてしまった現代の悲しさも感じた。昔は子供がその辺にあるものから遊具へ自分たちで仕立てられていたのだろう。