計画を作るということ(その5)

2023-01-31移働する診断士

 計画を作るということの第5回です。
前回は、二つの考え方について簡単に説明しましたが、そのうちのフォーキャスト(forcast)についてもう少しつっこんでみましょう。

 未来を予測すると言うと大袈裟に聞こえますが、基本的には、これからの事業を取り巻く環境がどう変わっているかを自分なりに予測して、どう事業が動くかに落とし込むことになります。
多くの方が最近では補助金(持続化とか、事業再構築とか)申請をされたかと思いますが、その中で立てる事業計画の数値計画の説明部分が一番わかりやすい例かと思いますね。(と言っても決して簡単ではありませんが…)

まずは、今行っていることの事業環境がどうなるのかが起点になります。自分の自信のお客様の数は今増えているのか?減っているのかが一番簡単ですね。ここは売上や来店客数(ネットなら訪問数や問合せ数)を具体的に出していきます。数値情報があるとベストですが取っていないならまずは感覚でもいいです。

次に、その状況の裏付けを確認していきます。
 なぜ売上が増えた(減った)のか?
 なぜ来店客は増えた(減った)のか?
そして、それぞれの理由をどんどんなぜなぜなぜと深掘りしていって下さい。
売上が増えた→通りの人通りが増えた→新しいマンションが建った→都市開発が進んでる→町の人気が高まっている(住みたい町ランキングで上位に)

と言った具合です。このようにそれぞれの要素を細かく考えていきます。この例は売上起点でやりましたが利益でやったり来店客でやったりすると異なる結果になったりしますので、どう言う切り口がいいかは色々と試してみてください。これを何回かしていくと、自分の周りの環境はだいぶ見えてくると思います。

次に、大きい視点で考えてみましょう。社会はどうなっていくのと言うのがいいかと思います。いまだと、コロナが明け始めていますが、まだまだウクライナ問題は続きそうです。これを一つの要因として、原油高に影響が出始めています。一方で外国人の来日は増えています。今後の政治施策の方向性とか、人々の考え方の変化なども含めて、自分の事業に影響が出そうなものを洗っていきます。未来を予測していきますが予測の助けとなるのが数字です。
この時に、いろんなところ(国や自治体、各種業界団体)が出しているデータを活用していくことがいいと思います。〇〇白書とか、統計データといったものですね。これを活用すると、地域別の人口や各業種の売り上げデータなどで、大きな動きの方向性を裏付けていきます。

この二つをミクロ(アリさんの視点)とマクロ(トリさんの視点)と言います。

この二つの視点から、未来の予測をしていきます。その結果が、これから数年の数値予測(目標ではなくて)になっていくのです。ただし、これはあくまで予測なので1年先でもその通りに進むことはあまりありません。ただ、建てておくことで、状況を把握して、すれているときに修正することが可能になります。

今回の話を経営のセオリーでいくと、環境分析をおこなって、その裏付けをとりながら自分なりの予測をしましょうという話になります。環境分析は外部環境(自分ではどうしようもないもの)と内部環境(自分たちでなんとかなるもの)の視点に、マクロ(社会的)とミクロ(自分の身の回り)の視点を掛け合わせる形です。

大きい企業では、フォーキャストを、毎月おこなっていたりします。このケースでは、すでに使用するデータや情報源がある程度決まっているのでルーチンとして運用することが可能になっています。数年おきに見直していて、それが中期経営計画と言われたりもしています。

中小、小規模事業では補助金申請等の機会にこれを立てることがあるかと思いますので、うまく活用してルーチン化しておくと楽ですね。