サウジアラビア映画「少女は自転車に乗って」
先日、サウジアラビア映画を観ました。
その映画は「少女は自転車に乗って」
サウジアラビアに住む10歳の少女「ワジダ」がボーイフレンドの乗る自転車に憧れ、いつか彼と競争したいと自転車を買うために奮闘する物語です。
この映画の監督はサウジアラビア出身の女性ハイファ・アル=マンスールさん。(偶然にも私と同世代)彼女が子供の頃からの実体験や外国へ留学した中で疑問に感じていたことをぶつけたそうです。この映画は同国では初めての長編映画。撮影をすべて国内で行ったのも初。
というのも国の法律で集会が禁止されているため、同国には映画館がありません。そんな状況なので今までは映画を制作されることもなかった。(ちなみに、家庭でのビデオはOK)
この国では女子と男子は別の学校に通うのが普通で、舞台はワジダ(主人公)の通う厳格なコーランを教える学校(日本と同じで子どもたちはルールのすきを狙って自己表現しようとしている)と日常の場であり今はどこの国でも変わらぬ生活のぬくもりがある家庭。その2つの世界のギャップを感じながらストーリーは進んでいく。特に女性が生活する上で困難な面、〜一夫多妻の厳しい現実や仕事をするための移動手段がないところ〜など宗教文化の厳しい現実にはなかなか異文化の人間には驚く部分が多かった。そんな中でも母と娘の愛情や時代の流れによる文化の微妙な生活や意識の変化が盛り込まれていて興味深い。
日本の感覚から言うとたかが自転車だが、この様に女性の地位は宗教に縛られているなか、そんな国の習慣に対する疑問を少女の自転車を乗りたいという気持ちを通して訴えているのが伝わてくる。
サウジアラビアという国について(知らなかったこと)
サウジアラビアと言うとサッカーのアジア予選でよく当たるというイメージぐらいでした。今回の映画をとおして興味が出てきたので調少し記載します。
首都はアラビア半島の丁度真ん中あたりにあるリアドという街。この映画もこの街が舞台です。
映画の中で主人公が自転車を買おうとお金を集めるのですが、その値段が800リアル(1リアル27円位)=¥21,000位。ほぼ日本と同じぐらいの値段ですね。(実際の物価で見ると異なるのかもしれませんが)
宗教はイスラム教。特にサウジアラビアはコーラン則った生活を人々はしているので一日5回の礼拝は欠かさず、豚肉や酒は禁止。外出時には伝統衣装を見つつける人々が多く、女性は姿を隠すアバヤという全身黒い伝統衣装を身につけることが義務付けられているそうです。
この女性に対する厳しさが他の国から見れば人権侵害とみられることも多いそうです。(この点は前述のように少しずつ改善されて生きているみたいですが・・・)
映画は異文化を知るツール
Tabiiku的な話をすると、映画は異文化の様子を知る手軽なツールだということ。
この映画に出会わなかったら、サウジアラビアに興味が無くこともなかったと思います。
これは、旅に出てその先々の国に興味が湧くこととも同じ気がしています。
ただ映画だと(種類にもよりますが・・・)その国の内面的な暮らしぶりを詳しく知ることもできるのがいいところ。映画を見ることで精神的に旅をしているとも言えますね。(天性の感を持つ方だと旅先の家庭に招かれるということがよくあるみたいですが・・・)
春までは各地で上映されているみたいなので、時間のある方は是非足を運んでみてください。