バーチャル世界とリアル世界の融合が来るのかも

移働する診断士

メタバースという言葉が、この1年流行っていて、大手企業が次々とメタバースに参入という話がでています。なんでこんなに、「メタバース」という言葉が流行り出したのかと振り返ってみると、メタバースを試す一つの方法としてあるVR機器の値段が一般人にも手が届くようになったことが大きいと感じています。

Meta社(Facebookを運営している会社)が販売しているMetaQuest2という機器がそれです。発売当時で1台5万円前後(現在は円安の影響で値上げされている)で購入できて、PCがなくても単体でVR体験ができるということで爆発的に売れた機器です。ちなみに、次世代機のQuest3はさらに使いやすくなってこの秋に発売とか。話題がつきませんね。技術はなんでもそうですが一般人の手に入り出すと、今まで関係なかった人たちもそれに気がつき始めて広まり、気がつけば誰でも使っているとなるものですね。なので、企業にとっても需要や販売のテコ入れ、自社の課題解決に使えるならばと、このような背景もあってこの数年の相次ぐメタバース参入につながっているんだと思います。

企業がメタバースに参入する例を社内向けか顧客向けの二つの切り口に分けて考えてみましょう。

社内向けは自社のコミュニケーションツールとして使用する場合と、作業効率化がありますね。打ち合わせ等でメタバース空間を使用してそこで会議やコワーキング的な利用として使うのがそれです。リモートワークの延長といった色合いが近そうですが、3D空間で一緒にいるような感じになるので、ネット会議よりも現実に近い感覚になるみたいです。NTTの子会社がこの企業向けの3D空間のサービスを始めたという話も聞きますね。作業効率化の方だとメタバースというよりはバーチャル活用(メタバースは仮想空間、バーチャルは仮想現実なので、ちょっと違う)の方が多くて、技術を伝える場合に、仮想現実的にそれを疑似体験してもらうという流れがあります。こちらは、製造業や美容業などでの実例があるようです。いずれも、まだまだ実証実験的な段階ではありますが、私が話した企業のいくつかでは実際に効果が出たという話を聞いています。

顧客向けは、一番多いのは広告宣伝的な意味合いで自社のファンを獲得するために特設ワールドを一般顧客向けに提供するものです。この場合は、一般の方も参加できる環境が必要になるので既存のVRChatやClusterといったメタバースサービス内で提供することが多いようです。ファンを獲得するために自社の工場であったり、実店舗で商品が陳列されていたり、JR九州では福岡駅自体をVR空間に構築するなどで、企業とユーザーの距離を縮める取り組みが多くされています。また、VR空間で商品が購入できるものもあり、購入した商品が自宅に配達されるなどバーチャルなのかリアルなのかの感覚が曖昧になるようなものも出てきます。

この週末はVket(バーチャルマーケット)というイベントがありました。これまではバーチャル空間上で様々なイベントやクリエイターのグッズ販売、各企業の宣伝などを行っていたのですが、今年はとうとうバーチャルとリアルの同時開催という形になりました。7月29日〜30日に秋葉原でリアル会場を借り切って各企業のブースを中心にイベントが開催れたのですが、バーチャル上でも同じ会場を設置しつつ、現実の秋葉原の街のあちこちでコラボ的な企画が色々と開催されたそうです。(例えば、Hubというバーではバーチャル世界を模したドリンクメニューと提供するなど)また、会場では普段からバーチャルを使う人以外の来場もかなりあったそうです。家族連れや外国人旅行者などたまたまその日に秋葉原を訪れていた人々が、このリアル会場でバーチャル世界を知ることができたそうです。特に、企業ブースは近未来を伝えることに長けているので、参加者の興味を引くことができたのではないでしょうか?

このバーチャル世界の直近で言うとApple社もXRというバーチャルとリアルを融合できるようなデバイス開発乗り出しているみたいです。これから5年、10年とこの領域には目が離せないですね。もちろん私も色々と試しています。