ノルウェーは泡か?~バブル経済かもしれないノルウェーの状況~
今日はノルウェーの経済についてのお話です。
ノルウェーと言うとヨーロッパの北の端の小国。
人口も約480万人ですが国土は日本とほぼ同じ石油産出国でもあります。
歴史的に他国に支配され続けてきた経緯もあり、「自立」に強い意思をもち、それが理由かはわかりませんがEUに未加盟でもあります。
(一番大きいのは石油を持つことによって経済的に自立できているのでEUに加盟しなくてもやっていけるとの思いが強いのでしょう)
さてそんなノルウェーですが先月末にひとつのニュースが飛んできました。
「ノルウェーでバブルが起きているのでは?」
バブルと言うと日本人にはおなじみの失われた10年(今では20年と言う言葉も・・)、アメリカのサブプライムショックを引き起こした犯人と言われています。
では、現在のノルウェーではどういった状況なのかと言いますと
家庭の借金が家庭の貯蓄の平均2倍
借金をすると言っても、経済が上向いていればこうなっても問題ありません。各家庭の給料が上がれば返済すること自体はそれほど問題とならないからです。しかし経済の成長率と各家庭の借金の増加率を比べると明らかに借金の増加率の方が高くなっています。と言うことは、このままでは借金が膨み続けることが明らかということです。
実際に2008年にノルウェーへ行ったときに郊外の建設ラッシュが気になった記憶があります。
あちこちに大型ショッピングセンターとマンションが立ち並び、日本と同じように店の中にはモノがあふれているし、何処のショッピングセンターへ行っても同じような店(おそらくチェーン店)が入っていると言う光景でした。
では、バブルを抑える為にはどうしたらいいか?
国が住宅ローンの金利をあげるか、ローンを組む条件を厳しくすればいいのです。
金利をあげるということについては、問題となるのがユーロとの関係。ただでさえユーロが低金利のところでノルウェークローネの金利をあげてしまうことは自国の経済価値を下げてしまうことになります。
と言うわけでノルウェーの市中銀行はおよび腰になっているのです。
もうひとつが条件を厳しくすることなのですが、こちらは政府から金融機関へ要請はしますが、目の前に儲かる種がいっぱい転がっている状況で誰もそれを拾わない問い選択肢は選ばず、結局効果なしとなっているようです。
こうして、どちらの策も効果を出せない典型的なバブルの魔力にはまっていると言う話が出ています。
多くのノルウェー人はバブルであることを否定していますし、決め付けることは大変難しい問題だと思います。
なんにせよ、結果として悪いほうへ向かわないことを願うばかりですね。