補助金支援と採択率

2023-04-06移働する診断士

我々診断士の仕事として多く声がかかるのが、補助金支援ではないでしょうか?
以前は知る人ぞ知る制度だったものが、この数年コロナもあってだいぶ一般化したと思います。特に事業再構築補助金は「コロナを乗り越えるため」という文脈もありここ数年ですっかり定着した感があります。コロナは終息に向かいましたが、そのそも日本の産業構造を変えなければという状況だったので、今後も引き続き制度は残っていきます。また、各種自治体も企業経営支援のための様々な助成金・補助金を出すようになってきました。特に地方では制度は作ったけれどあまり認知されてなく、活用が進まないケースもあるようです。

この補助金ではよく認定支援機関とともにというキーワードが出てきます。事業再構築や事業承継では認定支援機関(または金融機関)の確認書が申請では必須となっていますが、ものづくり補助金や小規模事業者持続化補助金(こちらは、商工会の確認書が必須)では必須ではありません。国の大型補助金ではきちんとした計画を立てることが前提なので専門家を通した申請が求められているのだと思います。

また、制度の方もだいぶ種類が増えてきていますので、全てを把握するのは我々診断士でも大変になってきました。お客様の方から「こういう補助金があるのだけれど支援してもらえる?」と聞かれてから調べることも多くなっています。

それほどお金がない場合は、これらの補助金、助成金の申請を自力で行うことが多いと思います。本来は会社の中で事業計画を作る経験があって、多面的にみられれば十分自力でも採択される申請書を作成することは可能です。(本来はそれが望まれています)ここで困ってくるのが「認定支援機関」ですが、金融機関や商工会にまずは聞いてお金をかけずに対応してもらえるかを確認してみるのもいいと思います。我々診断士も公的機関の仕事をやられている仲間は多くいるので、そう言った方々が皆さんの力になってくれます。

私の場合はというと、基本的には以前からお付き合いがある事業者様の支援をするようにしています。やはり、その会社に対しての理解度が低いままだと、事業者様が作成した計画書を十分に確認できないからですね。なので、費用はいただいています。なので、公的機関での支援以上のものを提供することを念頭において進めています。(プロとしては当たり前ですね)

さて、依頼する側は当然、採択するために我々のような専門家に支援を依頼しているので、お金をかけて支援してもらう以上は採択率が高まることを期待しています。これは当然と言えば当然ですが、必ず採択を約束できるわけでないのが難しいところです。というのも、採択審査は事業内容を複数の審査員が多面的にみて判断しています。なので、事業計画自体に無理がある場合はどんな専門家が支援しても不採択になりますし、その時の審査員とその事業内容の相性も若干出てきてしまいます。

また、以前も書きましたが、補助金のための事業は基本的にお断りしています。というのは、仮に採択されたとしても、長期的にみるとその採択が会社にとっては有益になりにくいからです。本来すべきことがあって、それを進めようとしたらちょうど補助金が活用できたいうのが理想ですね。(あくまで理想ではありますが)

というところから、どのくらいの確率で採択されますかという質問を受けることはあり回答はしていますが、それが、その会社の申請に該当するかというと、それはわからないのです。ただ、依頼側としても採択決定までは不明要素が多すぎてすっきりしないのもわかります。採択されるならもっと投資するけど、しないなら抑えなければというシチュエーションもあると思います。

なので、補助金の採択までの期間は短くなってほしいなと思っています。ただ、最近は申請数が増えているので採択までの期間が伸び気味なのが辛いところですね・・・・