異国の常識は非常識

移働する診断士

暑い日が続きますね。特に今年の夏は暑く感じてるのですが、今年は世界的に暑いみたいです。地球温暖化という言葉を身近に感じます。一方で実は氷河期に入りつつあるという話もあり本当のところは超長期的な変化を見ないと判断つかないのでしょうね。

それでも、年々過去最高の暑さと言う言葉を聞くようになってはいます。

先週、インドネシアへ行ってきたことを書きました。ほぼ赤道直下の国なので、日本以上の覚悟をして行ったのですが、暑いは暑い、だけれど東京ほどの暑さは感じませんでした。気候か湿気の関係なのか、汗はそれほどかかず、朝晩は爽やかな風が吹いていて過ごし易さを感じたくらいでした。現地へ行って体感しないとわからないことですね。

夏は昼が長く、冬は夜が長いというイメージを常に持っていたのと、海外でも北欧へ行くことが多かったので、そのギャップが北に行くほど大きくなるイメージは持っていました。今回は赤道直下でどうなるのかというと、年中昼と夜の長さがあまり変わらないみたいです。

そう思った時に、日本の夏は太陽が大地を温める時間が長いのと、東京は特に舗装率が高いことから、夏の暑さは厳しくなっているのでは?という仮説を思いつきました。一日の気温の変動を見ていても、朝4時から徐々に大地を温め始め、ピークが14時から15時。その後は日が傾くものの、日没までの時間も長く高温に暖められきってしまったので、夜に、大地に熱がこもってしまい熱帯夜となるのかと。

もうひとつ面白かったのは、ジャカルタが南半球だったということ。(インドネシアの国域では北半球も南半球もある)
実は現地に行く直前までこのことに気が付きませんでした。東南アジアとひとくくりで見てしまっていたので、インドシナ半島とマレー半島を中心に全て固まっていると思っていたのですが、よくよく見ると、その地域は半分ぐらいで、そこからたくさんに島が南と東へ伸びてこの地域を構成しているので、インドネシアのあたりは南半球に該当していたわけです。

南半球といえば、地球の自転の影響で水の渦が逆回りになるという話がありました。これホントかと、ホテルの洗面台に水を溜めてから流してみました。これはクオリコの定理というもので、セオリーでは北半球は「時計回り」、南半球は「逆時計回り」に水が流れていくそうです。結果は「逆時計回り」にいったので、これは本当だったのかとちょっと喜んだんですが、実はこれが有効になるのは、海流であったり、渦潮などかなり大きなものに対してで、ホテルの洗面台レベルの小さなものに対しては、そのときどきでどちら回りにもなるそうです。ちょっと拍子抜けすね。

また、太陽は赤道上を通るため、南半球では太陽が常に北側にあります。また、その角度もほぼ天井を通っているように感じたのが面白かったところです。きっと、北向きの土地は人気があるのでしょうね。どうしても日本にいるため日本の常識で物事を考えてしまいますが、自然現象ひとつとっても第五異なることに改めて気がつきました。

人々が日本に比べてどことなくゆったりしていることも、気候の影響があるのかもしれませんね。

ゆったりしている反面、交通ルールは独特な部分が多くありました。例えば道路では自動車とバイクがひっきりなしに走っているものの、それに混じって自転車や物売りがいたりします。じゃぁ交通事故が多いのかというと、日本よりも少ないみたいで、こうゆう状況だからこそ、一人一人がとても注意深く運転している傾向があるそうです。また、信号は目印で赤信号でも人がいなければ普通に車が走っているのは特徴的でした。これがいいとはいえませんが、ある程度自己責任が求められていると言えるのでしょうね。

文化自体は気候だけでもないみたいです。というのも、江戸時代までの日本人は時間は時の鐘で動きますし、ここまで神経質にきっちりしていなかったと言われています。これは、明治時代以降の西欧化の中で人々が西欧に負けないようにと作り上げていった文化と戦後のアメリカ指導のもとに作られた日本人像が結果だと思います。ちょっと私から見ると窮屈なところがあるんですけどね。時代が変われば文化も変わっていきましし、その常識も変わっていきますね。

なので、自分の常識が絶対とは思わずに、いろんなことを知り、多様性を持って物事にあたるのが大切だと改めて感じました。