計画は道標

移働する診断士

先週末が事業再構築の第九回募集の締め切りでした。
我々支援者は毎度のことながら、この締切日近辺になると支援先の申請の最後のボタンを押すまでバタバタしています。昨日も朝別の診断士の先生と情報連携しながらと、毎度の風景が繰り広げられていました。

私が今回担当させていただいた会社様も無事に申請終了しました。さて、補助金申請をきっかけに事業計画を作成されるケースが最近は増えていると思います。今回支援させていただいた会社様でも、私が初支援だったのですが、「少ない情報でここまで整理するとは?!」と驚かれました。

我々診断士のメインの仕事の一つが「事業計画を作ること」でもあるので、経営者の話を聞いて整理する中で、自然と事業計画に必要な各カテゴリーに頭の中で分解していっています。なので、そのように見えるのでしょうね。

補助金の事業計画書は出しどころが経済産業省なので、結構スタンダートなものを求められている気がしています。ものづくり、事業承継、持続化、IT、再構築とそれぞれ目的によって中心となる事柄の比重は異なるものの、必要な要素はみんな一緒ですね。

事業計画の中で重要なのが定性的な部分と定量的な部分をいかに詳細に立てるかだと思っています。特に、定性的な方は整理されていなくても、多くの会社様には想いがあるので、書く内容が次から次へ結構出てくるのですが、定量的な方はざっくりとした目標はあってもそれを事業計画に落とし込むところはなかなか苦労しているみたいです。というのも、その数字に対する根拠づけが元がざっくりしているので、難しいのですね。

この部分をいかに細かくできているかは、その事業のよそくの精度に影響してくるとも思います。なぜなら、根拠を得るためには、その対象となる商品・サービスがどのくらい売れるのか?利益はどのくらい取れるのかを明確にしていかなければなりません。そのためには、市場調査が必要となるのですが、例えば事業再構築では市場調査のために公的機関のデータを公開していたりします。ただ、私が支援してきた企業様のサービスは新しいものが多いので、この市場がどこって言われた時にぱっとでないものが多いのも事実です。だから、どのくらい売れるのかって計画を立てるのはすごく難しいわけです。なので、何かしら近い根拠を立てて数値計画を立てていくことになります。

こういうと、「これに意味があるのか?」と言う質問を受けることがあります。これはあります。というのが、先程の市場があっているかどうかは最初からはわからないものです。でも、計画を建てる時にその根拠を持つことで、そこが違っていれば次を考えるときの指針になります。それを何度も繰り返していくことで、その根拠の制度がどんどん高まっていきます。これは事業計画を運用するフェーズの話ですね。この入口として補助金の計画時にも何かしら想定される一番近い市場を選んでおくことは有益ですね。

さて、強の標題の「計画は道標」というのは、何かしらの事業を進めていく中で今どこにいるのか迷わないために事業計画が使えるからです。この時に、定性的な部分は進むべき未知を外れていないかの道標になります。そして、定量的な部分は目標に対してどの程度進んでいるのかや、資金が足りているか?このまま行くとどうなってしまうかなどの道標になります。

よく事業計画を立てると「これは計画であって実現できない」とか「絶対に実現できる計画でないといけない」といった声をいただくこともあります。これはどちらも間違っていますね。前述の通りあくまで道標なので、計画は立てて終わりではなく随時見直していくことに使えばいいのです。