古民家でコワーキングを

移働する診断士

 年明けから寒い日が続くなと思ったら、急な雪で先日はびっくりしましたね。朝、雪が降りそうだなという天気だったのが昼過ぎから白いものが少し待ったかと思ったら、気がつけば外が白く積もっていました。雪に降った後数日は街のあちこちではアイスバーンが残っていて、歩くのが少し怖い感じでしたが、太陽の暖かさに誘われて、公園まで散歩してきました。

 この公園(多摩中央公園)は多摩センターの北側にそびえるパルテノン多摩を含む丘の斜面に造られた公園で、広々とした池と芝生に森がセットになったところです。この公園の池もこの寒さで凍っていました。(寒いはずだ・・・)

 さて、この公園の一角には、なぜか古民家が一棟あります。

 多摩はニュータウンの造成によって大きく変わってしまったので、それ以前に各地区に存在した豪商の家が数棟、市の文化財として市内の各公園に移築されているみたいで、ここの古民家もそんな中の一棟で、旧富澤家といいます。元々は蓮光寺という稲城寄りところの村の名主の方の住宅で明治天皇が滞在もされたという由緒正しいお宅だそうです。(ちなみに、聖蹟桜ヶ丘という名は、この天皇が当地に来られた記念でつけられた名前だそうです。)この建物は18世紀ぐらいに建てられたもので、約200年といったところでしょうか。

 今は、展示のために開け放たれているため、古民家の中はものすごく寒く冷えているため、土間から中に入って数秒で退散。きちんと使われていた頃は、土間の竈門や囲炉裏の熱で建物全体が暖かくなっていたのでしょうね。今は、文化財ということで火気厳禁のため、その冷え方も半端ないように思えます。(建物の外にはエアコンの室外機が見えたのでスタッフルームは暖かいのかも)。

 でも、古民家って居心地がいいですよね。冬でも太陽の当たる時間の縁側はポカポカと気持ちよくなります。また、春や夏は民家の中を通る風が心地よかったり、ぼーっとして過ごして気がつけが時間が経っているなんてこともよくあります。日本では、「住宅は夏を旨とすべし」と言う言葉があるため全体的に開放的な作りに民家はなっているんでしょうね。また、木と土と紙という自然のものだけを使って建てられた(民家は全ての材料が自然にそのまま還すことができる・・・今流行りのSDG’sですね)建物の中にいると落ち着くのは人間も生き物という証拠なのでしょうね。そうえば、コンクリートの中にネズミを入れると子育てをしなくなるという実験が昔どこかであったと聞きます。やっぱり、人は土から離れすぎるのは危険ということでしょうか・・・・

 ここの古民家は、展示だけでなく活用もしていて、オクノマは5人以上の団体には時間で貸してくれるそうです。
 団体かぁ・・・
 個人で借りて自由に使えたら面白いなぁ。例えば、春や夏の風通しがいい日に借りて古民家で仕事場として使うとか面白そうだと思いました。ちなみに、この古民家、多摩市内ではここの他に、町田市との市境にある一本杉公園に2棟、鶴牧西公園に1棟あります。いくつかは、展示だけでなく貸出をやっているみたいです。(市のHPより)

日本中に文化財として公園に置かれている古民家ってたくさんあると思うので、たとえば、1日コワーキングデーと勝手に名付けて、古民家でコワーキングするような有効活用があってもいいですね。もう一つ面白そうだと思うのが、どの古民家も一般の方への文化財見学として開放しているので、たまたま見にきた人と、その場所でコワーキングしている人とが出会うことでの偶然のコワーキングが生まれたりするのも一つ効果がありそう。また、やはり居住空間って大切なもので、おしゃれなコワーキングスペースもいいけど、元々人が暮らしやすいように造られた住宅という空間で仕事をすることが、いい効果を生むのではないでしょうか?

せっかくの文化財だから、触らずそのままを維持するだけでなく、その場所が活用できて新しい文化を産む財となったらこれは素晴らしいし、すごく日本的な活用方法だと思います。ちなみに、古民家を活用したコワーキングスペースはすでに各地にあると思いますが、多摩のような都市近郊では古民家自体が個人の所有として残っているケースはあまりありません。だから文化財の古民家を活用したコワーキングは都市型と言えるかもしれませんね。また、各地の古民家でコワーキングしている人を結んで古民家コワーキングのネットワーキングというをのも面白いかもしれません。

 古民家は中も広いし密になりませんしね。

ネット環境揃っているといいけど・・・・乗る人いませんかね?(多摩だったら5人集まれば借りられる。10人集まれば二拠点でできる。もっと集まれば古民家でネットワーキングの実験ができる。)