春に向かって(制度活用の準備を)

移働する診断士

あっという間に1月が終わって、2月になりました。
そのと光も心なしか春の感じがしていますね。
近所を散歩していると梅の花が咲いていたり、花の蕾が見えたりと、1日1日春に近づいているのを感じます。

ニュースとかでは、春闘(この「闘う」って表現があまり良くはないという話も)に向けた話も増え始めてきました。昨年からの物価高に合わせて、商品を適正価格で提供することの必要性が訴えられ始めました。その適正価格の中には労務費=人件費も当然含まれているので、適正価格で提供して売れるためには、消費のための元手が必要で、そうすると人件費を上げて行かなければという話になります。この循環もいっぺんに進むわけではないので、まずはメーカーから始まり徐々にその末端企業へ波及していく流れだと思います。当然そのためには企業の利益が必要なので、今年に中小企業が賃上げに踏み切るにしても、まだインフレ率よりは低い感じになってしまうだろうと思います。

さて、コロナで公的機関の助成金、補助金を使う企業がものすごく増えたと思います。以前は、知る人ぞ知る感じで活用している企業は何度も活用しているけれどそれはごく少数でした。それが、事業再構築補助金や持続化補助金のコロナ枠が登場したことで、かなりの数の企業が専門家の勧めもあり、利用するようになってきました。この影響か、補助金活用の相談もコロナ以前に比べて多くなっている気がします。

補助金や助成金という名前がついていますが、この名前によって、若干性質が違うことをご存知ですが?

助成金と呼ばれるもののほとんどは、何かの事業を「助成」するためにあります。事業の助けになるので基本的には助成された費用はそのまま利益(費用削減)として捉えることができます。地方自治体が出している制度の多くはこの助成制度であることが多いです。一方で、補助金は事業推進を「補助」するための制度です。推進を補助するので、事業が軌道に乗った場合は、その事業単体で考えて利益が出た時には補助金を還付(返す)必要があるケースに注意が必要です。特に、国の三大補助金(ものづくり、IT、事業再構築)では公募をよく読むとそのことがしっかり書かれています。

とはいえ、どの補助金にも事業期間というのが設けられているので、その期間を過ぎてしまえば不問にはなります。ただし、補助金によっては一定以上の利益率が求められているものがあるので、注意が必要ですね。そもそも、補助金事業基本的には現状を改善するために進めるもので、その事業単体で利益が出るように事業計画を作っていると思います。その事業を進めるために最初に補助するけどきちんと軌道に乗ったら返してねという建てつけなので、正しいといえば正しいですね。

実態としては還付まで利益を出している事業が少ないと思います。(何度も利用している企業様でもこのことを知らないケースがあるので、おそらく利益がでていないんだとおもいます。補助金制度のコンセプトから考えると望ましくはないんでしょうけどね・・・

さて、冒頭に戻って、そろそろ4月が見えてきました。この時期は補助金・助成金がない時期でもあります。というのも、多くの制度は行政の年度ごとに進んでいるので、大体4月ぐらいにその年の制度が発表になり5月ぐらいから具体的に募集がかかります。事業期間が夏から秋ぐらいで、完了報告が冬というケースが多いです。3月は決算期なのでほとんどの事業は止まっています。なので、これから何かしらの制度を活用したいという方は、4月の発表を待ちましょうということになります。

じゃぁ、4月にならないとわからないのかというと、事業自体は国や自治体の予算に則り進むので、ちょうど今の各予算案の中身を見ると大体どんな制度が来年度くるのかを予測することはできます。

いずれにせよ、春が来るために自社の事業計画も合わせるといいかもしれませんね。