コワーキングらしいコワーキング

2021-09-02移働する診断士

この夏は、久しぶりにコワーキングをして来ましたね。というのも、期間限定でPAXcoworking がOpenされていたからです。ちなみにabcとは Art Business Coworkingの3つの頭文字を取って名付けられたそうです。

僕は、「移働」というテーマで様々な場所から働くスタイルを追いかけ始めているところですが、ちょうどこの1年、コロナでテレワーク(僕的にはリモートワーク)がメディアで騒がれ、そのためのコワーキング需要の高まりを感じているのですが、ここでのコワーキングは、会社以外での働く場所という定義で使われているきらいがあると感じていました。実際に、よくあるのが、「コワーキングスペース開店。プライベートのシェアオフィスプランとプライベートでないコワーキングプラン」みたいなもので、占有スペースがない=コワーキングと定義されている。これには、単に、喫茶店よりは働着やすい場所という感じがして、違和感を感じるわけですね。(だったら僕はスタバで十分って)コワーキングというのは、シェアオフィスではなくシェアワークで仕事自体がどんどんクロスしていくものだと。だから、そこには積極的な雑談が必要なのだと感じているわけです。(これを、仮設ではなく、実体験としてきた)

なので、コワーキングスペースを見つけても、ちょっと検索して内容が単なる場所貸しだと足が向かず、どうしてもスタバに足が向いてしまうわけです。

さて、僕が最初にコワーキングを体験したのは、10年ぐらい前に高幡不動(自宅からは比較的近かった)にあった、ZenCoworkingというところ。東京で最初のコワーキングスペースであった、PaxCoworkingのメンバーの人たちが初めた場所でした。その数年前に、Twitterで「コワーキング」という言葉を見つけて気になっていたのですが、なかなか足を運ぶことはなく、前の会社の同僚がちょうど言っていることを聞きつけ知ったのがきっかけです。ちょうどその頃ノルウェーのチェコレートを輸入できないかと(相手が大手過ぎて未だ実化せず)模索していたので、会社勤めの身ながら会社を休んでコワーキングしに行ったのを思い出します。そこに出入りしている人々は既にコワーキング慣れ(?)していたので、気軽に自身のビジネスプランを語りこちらのことも聞かれアドバイスを貰えたりするという不思議な体験でした。その感覚に刺激を受けて、1ヶ月後にようやくPaxCoworkingを訪れました。このときは「Jelly」という誰でも参加できるイベントがあるから参加するといいよと、これまた前の会社の同僚に誘われてい「ライトニングトーク」へ参加したのがきっかけです。次々と面白いことが発表されていく中、自分のビジネスプランらしいプランがまだない中、緊張しながらライトニングトークをした記憶があります。ちなみに、後々振り返ると、今関係しているプロジェクトが、この最初の2回に出会った人たちのものというのも縁を感じています。

その後も、PaxCoworkingの佐谷さんと、子供が出来ても旅をし続けることを考えようと、「旅育」という事業をはじめたこともあり、月1回ぐらいのペースでコワーキングをしに通っていました。当時はどこのコワーキングスペースに言っても個性的な場所が多かったように感じます。それから時が経ち、コワーキングと思っていったらコワーキングでなかったことも経験していく中で、少し足が遠のいていました。

Paxabcに話が戻ります。6月中旬から8末までの期間限定でしたが、足を運んできました。(注 9月以降は、Paxacbを主催した野呂さんアートギャラリーDiGAROがあります。また、Pax自体は現在五反田鋸南高浜奥三河で展開中。)

有楽町ということかArtで、かなりスタイリッシュな内装でしたが、このスペースはもともと入っていたアパレル店舗のものをそのまま活用したからだそう。机や椅子、ソファーは地方のホテルで使わなくなったものを譲り受けたもの。余談ですが、人の力も必要ですが、居心地の良い場所というのはコワーキングスペースとしては重要だと感じています。コロナ対策のアクリル板には、絵が書かれていて明るい感じです。

訪れた日には、Pax主催の佐谷さんがいたこともあり、コワーキングをしに次から次に人が訪れていました。やはり立地というのは重要で、東京のど真ん中だと、普段の仕事のちょっとした時間に訪れる人も多かったようです。みなさん、ちょこっと仕事をしては雑談をしていくので常ににぎやか。場所貸しだけのシーンとしたスペースが多いので、知らないとちょっと戸惑うかも。

この雑談力がとても重要で、雑談の中から新しい展開が生まれたりすることも。ちなみに、僕も今回のコワーキングから新しい仕事が生まれかけたりしています。これは、閉塞感を破る効果があると改めて感じますね。一つの社会(ひっくり返すと会社)やフリーランスだと自分の頭の中だけに閉じこもっていると、どうしても硬直しがちです。しかし、視点の違う人との雑談(あそび)することで、異なる思考回路が刺激されて、思わぬ解決や新たな課題が生まれたりします。しかも、しがらみのない人なので発送も自由(無責任とも言いますが、そこは受けても自分で考え判断する力が必要)。久しぶりにコワーキングらしいコワーキングをした感じたしました。(とこれが今回言いたかったこと)

今回のは、期間限定なので終わってしまいましたが、都心でのコワーキングの可能性を感じました。

ちなみに、ポストコロナは場所にとらわれない働き方が可能になるとは思っていますが、日本の会社の動きを見ていると大多数は旧来型のオフィスワークに戻りそうな気配があります。ただ、気づいてしまった会社は既にオフィスを持たず社員が働く場所を選ぶスタイルに変えつつあります。この2つのギャップがどういういところに生まれていくのかと考えると、コワーキングのように多様な発想を取り入れ、世界的な流れに乗ることができるかどうかではないかと感じています。そう考えたときに、コワーキングスペースが、そのような会社の働き手の受け皿として様々な場所に必要となると思っています。働く場所が自宅であれば郊外型のコワーキングスペースが、地方であればコワケーション型のコワーキングスペースが、商談やイベント等の関係での出張で都心型のコワーキングスペースが必要とされる社会ですね。

そう考えると、コワーキングスペース運営側も、コワーキングできるスペースにするための仕掛け作りが必要となるのかなと。私が参加しているコワーキング勉強会でも、コワーキングマネージャーというコワーキングスペースを上手く切り盛りしてくれる人の存在の話が出てきます。ニーズがあればそういう仕事も生まれてくるし、ひょっとしたらそういうマネージャーはそのスペースのメンバーが自然と担っていくのかもしれない。

と、話題がそれ初めたので今回はここまで。

ポストコロナはどうなるのでしょうかね?