交通と自然〜ノルウェーから考える

ノルウェー

先日久しぶりに、仕事で高速道路を数時間走らせ長野まで足を運びました。日本は高速道路網が年々発達したので、かなり便利になってきています。思い起こすと30年以上前はまだまだ地方の道路網が整備されていなかったため、地方の大都市まではいけるものの途中から一般道になるため、地方はまだまだ遠い地でした。

首都圏は東京を中心に放射状に伸びる道しかなかったために渋滞がはげしかったのですが、こちらも外側の環状道路が建設されて便利になりました。といっても、車の台数自体は増えているみたいで、慢性的な渋滞が特定の場所では以前より激しくなっている気がしています。一方で、地方の高速道路は作ってはみたもののそれほど活用されていないと言う場所が多く存在するのも事実ですね。

高速道路はと世界が断絶されている感覚をいつも感じます。当然、自動車専用道路なので車が通過することを前提に作られているので、巨大が構造物がその道の付近には登場していきます。このアンバランス感はどこへ行っても感じます。

これが、SDG’sの時代には環境破壊と捉えられるというのが、今回のノルウェーからの話題になります。

ノルウェー政府が、環境を守るために高速道路のスリム化する方針を示したそうです。

・環境を守るために道路基準を変更するとことで、既存の道路を再利用でき自然破壊しなくてすむ様になる

・今後は、2車線や3車線の道路が中心となり、4車線道路も今ほどの敷地面積を取らないですむ様になる。

ノルウェーでは、以前の政権が国内の道路交通をよくするために新しい高規格道路は4車線道路で時速110Kmが可能なものを作ってきました。2017年にノルウェーで車を運転した時にオスロからミョーサ湖にそった高速を走ったことがあるのですが、110kmという制限速度が初体験で、結構快適だったのを記憶しています。これが日本でもできたらと思ったら、第二東名道路では120kmの制限速度実証実験がその後に始まりました。私も利用したことがありますが、名古屋から御殿場までをほぼノンストップで走る時は、車が少なく広い第二東名でこの速度は時間短縮につながり便利だと感じました。今後は自動運転の実験にも活用されていると言われています。

日本をはじめ、世界中で道路建設は高速で幅の広いものが作られ続けていますが、今回のノルウェーの流れはその逆をいくものですね。

ノルウェー政府の今回の方針は、これまでの道路建築の基準が「あまりにも粗雑で、あまりにも広大で、自然を破壊し、コストもかかった」ものをみなおして、行こうと言う流れになります。そもそも、自然と共に生きようとするノルウェーらしい判断だと感じます。

ノルウェーの場合にこれが可能なのは、絶対的な交通量が少ないという見方もできます。ただ、オスロ近辺の交通渋滞は年々激しく、にほんと同じ様になっているのも事実。なので、この決定は地方(=自然豊かな土地に対して)とみてもいいのかもしれませんね。そう考えると日本でも同様にスリムな高速道路規格の道路を建設することは可能な様にも感じます。

車線が少なくなったり、道幅自体が狭い道路を建築する時になるのが交通事故ですが、こちらも、数十年先を見据えてみると自動車のEV化と同時に自動運転技術の搭載も標準化されていくので、そこまで問題にならない気もしています。(といっても移行期は色々あるでしょうが)

車の自動運転後の車を運転すると言う感覚がどういったものになるのかは正直想像がついてはいないのですが、コンピューター制御による車間調整等で、少ない車線でも車の移動のやりくりはできると思います。だからこそ、既存の道路のバージョンアップで対応可能になると言うことなのかもしれません。(そういえば、インドネシアでは新幹線が新たに開業するのですが、その次の段階は、その新幹線の延伸ではなく在来線のバージョンアップに力点が怒れるそうです。その部分を日本が受託したというのも面白い話ですね)

ノルウェーではEV導入に政府の助成金が出ていたこともあり、すでに50%はEVになっていると聞いています。そういった背景も今回の政府の決定にはあったのかもしれません