制度融資の基本知識とメニュー選択ガイド【2025最新】

制度融資という言葉はご存知ですか?
保証協会つきの融資を受ける場合に、自治体等の施策で利率の一部を負担してもらえる制度です。(自治体によっては、プロパー融資でも使える場合があります)
コロナ以前は知る人ぞ知るイメージのものでしたが、コロナの緊急施策として各自治体がコロナ用の融資メニュー(利息全額負担)を打ち出したことで、一般的になりました。
その後も、原油高、円安、人件費高騰と経営者にとっては厳しい状況が続いているなか、自治体によっては引き続き手厚いメニューを用意していることもあり、金融機関が率先して利用者にこの制度をお勧めしているようで、この制度の利用が定着したと言えます。私も、某所でこちらに関わってはいますが、相談の予約が常に埋まっているようです。
制度融資のメニューについて
さて、この制度融資はコロナに限ったものではなく以前からありました。大抵の自治体では、設備資金、運転資金、小口資金、そして創業資金の四つが定番になっています。自治体によってこの数は多かったり少なかったりします。
設備資金と運転資金が一番オーソドックスなメニューになります。どちらになるかは、融資の目的によります。機器購入、店舗工事等であれば設備になりますし、仕入れや人件費、家賃であれば運転になります。
例えば、店舗移転の場合は、移転費用は運転ですが移転先の物件取得や内装工事は設備になります。なので、設備と運転は同時に申し込めることが多いです。設備の場合は見積もりが必要になります。そのため、見積もりが出てからでないと申し込めないことに注意が必要です。(見積書には宛名がきちんと書かれていることや有効期限が範囲内であることなど、細かくみられるケースもあります)
小口というのは、小規模事業者向けの融資メニューになります。概ね、製造業、建設業などは20名以下、サービス業、小売業は5名以下の会社用の通常よりも優遇されたメニューになります。どこが優遇されるかは自治体によって異なるのですが、東京都の様に保証料の一部を負担してもられるケースもあるようです。小規模事業者に該当するならばまずは小口で検討し、ダメだったら通常の設備・運転で考えるのがいいと思います。また、小口の場合は保証協会付き融資の残高が2,000万円以内で残っている分が上限となります。(例えば、既に500万円の保証協会付き融資がある場合は1,500万円が上限)
創業は、これから事業を始める方向けのメニューになります。融資を受ける場合の判断材料として決算書がありますが、創業の場合は当然こちらがありません。なので、どういった事業をどういう予定で進めるのかという、創業計画書(名称は自治体によって異なりますが)を提出することになります。自治体によっては、この創業計画書の作成から専門家がついてみてくれるケースもあります。創業の場合は、一番利率が優遇されると言われています。ちなみに、創業として扱うのは、東京都の自治体の場合は、会社設立(個人事業の場合は開業届を提出した日)から1年以内のことが多いです。では、一年経ってしまった場合はどうなるのかというと、他の融資メニューを活用することになります。この時は、決算状況から基本は融資判断されます。
制度融資はどこでやっている
制度融資自体は、都道府県のものと区市町村のものに分かれます。都道府県の方が比較的規模の大きい中小企業向けて、小規模事業者は区市町村向けと言われています。これは、制度融資の上限額が都道府県の方が大きいからです。
都道府県でも市町村でも保証協会の枠は同じ枠となるため、そもそも保証枠がそこまで大きい企業が都道府県の制度融資を利用しよう思っても、融資額が広がるわけではありません。一方で、都道府県の制度融資よりも区市町村の制度融資の方が利率(利子補給される率)が良いケースが多いです。なので、自社の規模に見合った方を選ぶのをお勧めします。
📖 制度融資完全ガイドシリーズ
- 制度融資の基本知識とメニュー選択
- 制度融資とは何か?4つの基本メニューの選び方
- 利用条件とオフィス形態の注意点
- シェアオフィス・ヴァーチャルオフィスでも使える?
- 金融機関選択と申し込み実務
- どの金融機関を選ぶべき?申し込みの進め方
- 審査プロセスと融資後の注意点
- 審査にかかる時間は?融資後に気をつけることは?
- 今後公開予定:「制度融資で困った時の対処法【実践・トラブル編】」
- 審査に落ちた場合の対処法
- 金融機関との交渉のコツ
- 自治体による制度の違いと使い分け
- よくある失敗例と成功のポイント
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