診断士にも流派がある
はい、題名の通りで「診断士には流派がある」んだろうなと、最近ふと思った。そう思ったきっかけは、講談とか能の演者の世界を見ていて感じたのがきっかけです。まぁ、どんな仕事でもそうだとは思うけれど、独立して数年経ってようやく自分の診断士のスタイルが見え始めてきて、ふと振り返ってみるとこのことに行き着いたわけです。
そもそも、診断士ってどうやって診断士として確立されていくのか?診断士になるまでは、7科目の1次試験、事例の2次試験(記述と口述)をパスすると、試験自体は合格しますが、そこから3年以内に実務補修というもので15日間の補修を受けないと診断士として登録することができません。(この辺りは、目指す人のサイトがたくさんあるのでそちらに譲りますが・・・・)
この実務補修というのが、現役の診断士の先生が指導員となって5〜6名の参加者を引き連れて、実際の企業の診断助言を5日間にわたって行なっていきます。(実際に診断助言をするのはもちろん参加者)これを3回行うと15日間になります。この時に診断士としての診断助言を初めて体験します。
この時に指導にあたる先生のやり方が参加者のやり方のベースになっていきます。私も指導員は、当時75歳の女性の診断士の先生で、常に経営者の方のことを気にかけつつも、言うべきことははっきり言う、僕ら参加者に対しても偉ぶったことなく、フラットに接してくれつつ基本的な診断士としての振る舞い方をしっかり教えてくれる方でした。また、新しいことに意欲的に取り組まれる先生だったのが印象的で、提案についても結構参加者のやり方を尊重して自由にやらせてくれました。(懐が大きい!)この実務補修、診断のステップは教本に則るので同じですが、細かい進め方や考え方、経営者との接し方はその指導員の方で異なってきます。でも参加しているときは、そんなことはわからないから指導員の先生のやり方が全てにはなります。そのため、診断士として活動して最初のうちはそれらの指導員の先生のやり方というのが多くを占めるのだと思います。
さて、15日間が終わって晴れて診断士になるわけですが、これだけで本当に企業支援できるのかと言ったらそんなことはなくて、ここからは経験を積んでいくしかありません。その入り口として、診断士の協会に入るケースが多くなっています。ちなみに、東京都で診断士をやる場合だけは、人数が多すぎる(診断士の数割は東京都の協会)ので6つの支部に分かれていますが、先ほどの通りで指導員の先生が属していた支部所属することが多いです。(かく云う私は故あって指導員の先生とは異なる支部に入ってしまったんですが・・・)そうすることで、診断士としての人脈を広げていくことが多いですね。
この協会はいろんなことをやっているのですが、なりたての診断士が期待しているのが実務経験です。そのために協会では、コンサルタントの養成講座や、研究会というのが色々とあり、自分が進みたい道に合わせてこれらを選択しながら最初のうちの基礎を深めていくことが多いです。
それぞれの講座や研究会はそれぞれ目的があり、それに沿った診断手法を使って実際の企業に対してコンサルティングを進めています。この様に、最初のうちは診断先ややり方をこれらの機会を利用して学びながら経験を積んでいきます。
先輩診断士やこう言った講座から機会を与えてもらうことが多く、その結果として、自身の診断士としてのスタイルが確立していくんだとおもいます。そこで学んだ卒業生が経験を積んでまた次の世代の診断士育成のための講師側へと回っていくので、経験値がスパイラルで継承されていくことになりますね。
このどこに所属するかは「流派」に近く、その流派ごとに診断の進め方が異なるというイメージでしょうか。中の人から見ると結構この違いは大きくて、診断先に合う合わないは結構出てくるなと感じています。(その逆無また然り)
いっそのこと、それぞれの流派に名前をつけてその特徴を前面に出すと、診断士にとっても、診断士を活用しようと思う企業にとってもいい効果を発揮するのではないかと思った。
で私の話をすると、不思議な人の縁から知的資産経営の講座に転がり込みました。これがその後の、私の流派的なものになったなぁと振り返ったら感じます。
今年も今日で仕事納め。来年も頑張ろー