スタートアップと創業

移働する診断士

スタートアップと創業という題名を掲げてみたのは、最近創業相談で「うちはスタートアップですと」来られる方が多いので、改めて普通の創業と何が違うのかと疑問に感じたのがきっかけです。

と言いつつ、私も、「それはスタートアップですね」と言ったりするのでなんとなくの使い分けをしてはいるのですが、この辺りは感覚で使っていました。

創業というのは、新たな事業を起こすことを指します。起業という言い方もしますが、「起業家」という言葉はあっても「創業家」という言葉はありません。調べてみたら、過去に対して使われるのが「創業」で、過去から未来を含んで使われるのが「起業」なので、「起業家」はこれからも起業し続けるから「起業家」という解釈になりますね。

我々コンサル用語では「起業」という言葉あまり使わなく「創業」という言葉が使われ得ています。「創業支援」とはいうけれど「起業支援」とは言いませんね。

では、「スタートアップ」はというと、これも創業のなかの一形態になりますね。どちらも新たな事業を起こすので。ただ、創業の目的や描く計画に特徴があります。通常の操業は着実に事業のための地盤をしっかり構築しながら事業を拡大していく流れになります。そのため、経営が安定するまでに時間がかかります。

わかりやすいのが飲食店でしょうか。創業のために、開店資金を創業者はコツコツ貯めて、ようやく自分のお店を持ちます。開店当初はお店の知名度もそこまでなく、あまりお客様も来ませんので細々とお店を切り盛りしていきますが、そのうちに評判が高まり、お客様が増えてきます。忙しくなってくるので、人を雇い始めます。そして、お店が小さいので大きいところへ移転して・・・・と徐々に事業が拡大していく流れです。
これまでの創業のイメージは業種は違えどこの流れでした。

これが、2000年を超えた頃からアメリカのシリコンバレーを中心としたスタートアップという起業スタイルの創業者が日本でも現れ始めてきました。ちなみに、スタートアップとよく似た言葉にベンチャーという言葉があります。

スタートアップの場合は、今までにないアイデアを新しい市場(もしくは既存市場の築かれていないニーズ)に対して提供することで、事業を一気に広げていくスタイルです。なので、その事業が成功するかはやってみないとわかりませんが、成功すれば、数年で急成長するのが特徴です。
事業計画の売上や利益をグラフにしたときに、通常の操業は徐々に右肩上がりな曲線を描くのに比べ、急激な右肩上がりの曲線を描くのが特徴です。

スタートアップの場合は、その特徴から多くの資金を初期の頃から短いスパンで段階的に必要とするのも特徴です。よく、「プレシード」「シード」「シリーズA」という言葉を聞きますね。これはその投資のステージを指していて、初期のステージは数百万円から始まり、調達額が徐々に上がっていきます。これに合わせて事業規模も大きくなっていくのである意味これでリスクヘッジしているとも言えます。

以前、スタートアップのアクセラレーター支援を行っている会社を立ち上げられた方に違いを聞いたことがありますが、「ほぼ同意義です」と答えられていたので、ここの違いはあまり気にしなくていいようです。(と言いつつ、ChatGPTに聞いてみると・・・・以下の答えでしたのでまぁ、一緒でいいですかね。

スタートアップは新しいビジネスアイデアを持ち、まだ市場で成功を収めていない段階の企業を指し、リスクを取る傾向があります。一方、ベンチャーはスタートアップから成長し、市場で成功を収め、成熟段階に達した企業を指し、収益を上げることに焦点を当てています。

さて、スタートアップ起業の場合、通常と大きく異なるのが資金調達の方法として、融資ではなく段階的出資であるというところです。ただ、スタートアップの成功率というのは通常の創業に比べると低いのも事実です。なので、初期の段階からアイデアは持っていてもなかなか出資を得られなくて苦戦しているスタートアップの方が多くいます。そう言った方が、金融機関の融資もと相談に来られるわけですが、金融機関が考える事業計画は徐々に右肩上がりの確実なものになるので、ここがアンマッチによくなるわけです。

というのも、融資と出資の違いは返済義務があるかないかです。なので、融資を出す金融機関としては確実に返済してもらえる事業でないと融資できないわけです。

スタートアップで金融機関からの融資も検討の場合はこの点も頭に入れてうごくのがいいと思います。