スターブ教会〜ヴァイキングの残した建築
ヴァイキング魂の残る建築
ヨーロッパは石造、アジアは木の国などといいますが、ノルウェー(北欧全般)は木の建築物か沢山存在します。アジ アとの違いは気候!湿気が無い気候なので木造建築でも腐食が起こるスピートが遅く、古い木造建築もそれなりに残っています。そんな中今回紹介したいのは荒くれ者のヴァイキングの魂が残る建築、スターブ教会です。
どうでしょう、教会と言ってもずいぶん形が異質ですよね。それもそのはず、これらの教会にはヴァイキングを行っていた時代の造船文化がふんだんに使われているから、このような独特なディテールをしているのです。
この背景には、ノルウェー人がヴァイキングをやめていった歴史があります。
11 世紀以前、北欧の民は外との交流を求めてヴァイキングを行っていました。ヴァイキングは寒く痩せた土地に暮らす彼らが、外の土地へ交易・略奪・移住を目的に行っていた活動の事を指します。特にノルウェーのヴァイキン グは略奪と冒険を繰り返していました。(デンマークのヴァイキングは南部へ、スウェーデンのヴァイキングは東欧へ交易を目的に活動していた)例えば、フランスのノルマンディーなどはヴァイキングがイギリス沿岸からフランス北部を襲った末に定住した名残ですし、 グリーンランド、アイスランドそしてアメリカのミネソタ州は冒険の末辿り着き移住していった土地です(コロンブスより早い)。
逆に西欧諸国から見れば、暴れん坊の侵入者でしかなく彼らをおとなしくする為にキリスト教への改宗を図ったと言う歴史があります。それが11世紀のこと。だから現存するスターブ教会は900年間残り続けたことになります。
(屋根はまさにヴァイキング船)
北欧神話の神々信仰からキリスト教へ改宗した彼らですが、教会を造る時にヴァイキング船を造る技術をふんだんに取り入れていきます。もう使われなくなった 造船技術を教会建築へと転化したのですね。実際にこの建築物の意匠を観ているとヴァイキングの着ていた服や北欧神話を想像させます。
さてこのスターブ教会ですが、ノルウェーで一番簡単に出会えるのはオスロの民族博物館にゴルと言うところから移築されたものになります。(ここで掲載しているのも、そこの写真です。)この民族博物館ですがスターブ教会以外にもノルウェーの古くからある民家が多く移築されていて、中世北欧の暮らしを感じることができます。
行き方
・バス オスロ駅から30番 Bygdøy<ビグドイ>行にて
約25分 Folkemuseet 下車 目の前
・船<夏季のみ> オスロ市庁舎前のRådhuskaiaより90番の船に乗船
Dronningen 下船 徒歩10分
実際にその地に立っているスターブ教会を見たいのであれば、ウルネス、ボルグン、ロムやゴルにあるスターブ教会が有名です。
これらはどれもノルウェーの山奥にありますが、ノルウェー旅行の楽しさは大自然を堪能できることですので、ぜひオスロだけでなくこちらにも足を運んでみてください。
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スターブ教会関連サイト
最後にスターブ教会を紹介しているサイトを並べておきます。ノルウェーへ旅行する機会がありましたらぜひ訪れてみてください。
◯世界遺産|ノルウェーの木造教会 | 「世界の切手と海外写真」店長ブログ!
◯日本人の建築主婦のノルウェー日記よりスターブ教会の特集(ノルウェー日記;スターブ教会特集)
◯Fantoft Stavkirke(欧羅巴の旅)
ファントフトゥ・スターブ教会<1992に消失>
◯wikiでのスターブ教会検索
◯スターブ教会の研究サイト(英語)
◯fortidsminneforeningen(ノルウェー語)