コンサルティングということ

経営コンサルタント(中小企業診断士)という仕事をやっていて感じるのは、経営のプロとは言われながら「経営者の気持ちに本当に寄り添っているのかな?」ということを感じる瞬間があることです。 コンサルタントは、経営者の課題発見から解決までが一般的な仕事とはなるのですが、その時にそう支援していくのかというと、フレームワークというものを活用していくケースが多くあります。ただ、これはあくまで一般解なので、最適解ではないんですね。なので、フレームワークを片手になんでも当てはめてしまうと、残念な結果になってしまうということがあります。 よくよく思い返してみると、診断士試験を受験する時によく言われたことなんです。「企業に寄り添って診断助言していますか?」と。 コンサルタントはコンサルティングする人という意味です。そして、コンサルト=相談する、同席するといった意味になるそうです。そう、経営者と同じ目線で相談を受 ...

提供価値というもの
参加している、経営のデザイン研究会では、経営デザインシートを探求するために、一般公開されている事例をもとに経営デザインシートに当てはめて、その作成方法や検討内容についての議論を行なっています。(デザインシートについてはこの辺りから参照) このシートは経営者が自身の事業を考える時に使うものなので、経営者自身が作ることが本来の形で、我々支援者はそのサポートをしていくものですが、こういったものをなかなか ...

資金繰りを追うことの難しさ
「資金繰りは大切ですよ」という話をここでは何度も記載してきましたが、これを実行に移すのは結構難しいです。というのも、資金繰りは、実際のお金の入金と出金の流れを追うことが目的ですが、売上が立つタイミングと入金、費用をかけるタイミングと出金がズレることが難しくしています。 もう一つが、先のお金の流れを予測するということが意外と難しいからです。 毎月一定の売上と費用が出ていく商売であれば資金繰りもある程 ...

物価高における財務構造について
ガソリンの価格がとうとう190円を超えてきて、原油・物価高の影響が直接感じる様になってきました。円安の影響だけでなく、これは、原油産出国の動きなども絡んでのことですが、数ヶ月前までは150円台だったことを考えると、この急激な値上げに運輸業をはじめとして自動車を利用されている方は先の見通しを見直した方が良さそうですね。 物価高になりつつあると騒がれて1年以上、その影響を本格的に感じる様になってきまし ...

物価上昇時に考えること
日々、支援していく中で、一番多く耳にするのが「資金繰りが厳しいんです」と言う言葉です。 特に、最近は原油物価高の影響や賃金引き上げの影響もあり、多くの企業の収益を圧迫している状況になっています。そのため、コロナが落ち着き消費活動はだいぶ元に戻りつつあるのですが、コロナ以前と同じように事業運営していても、なかなか収益確保ができず厳しい状況のようです。 この世間の物価高に合わせて、価格転嫁をしたい事業 ...

R6年の最低賃金とそのメカニズムについて
この時期になると、来年の最低賃金の話題が出て来ます。経営者の方はご存知かと思いますが、最低賃金というのは、各都道府県ごとに定めた時給の最低額のことです。 適用は毎年4月で、このタイミングから労働者(従業員、パート、アルバイト)の1時間あたりの賃金額を最低賃金以上にしなければならないため、経営者にとっては最低賃金額がいくらになるかはとても気になることです。 この最低賃金のインパクトですが、仮に時給あ ...

創業時には事業計画を
この数年、経営相談窓口を担当していて、「創業」される方が年々増えているように感じています。 特に、リタイア後の創業よりは20代、30代の方の創業が増えています。 創業というと、一大事業のように以前は捉えられていましたが、これは日本の終身雇用前提の文化が強かったからだと思います。特にバブル期まではサラリーマンであれば右肩上がりに取得は増えていたわけで、それを捨ててまで創業する必要がなかったとも言えま ...