制度融資の利用条件とオフィス形態注意点【シェアオフィス・バーチャルオフィス対応】

制度融資の活用について
コロナの初期、制度融資がそこまで定着していなかった頃には、「自治体が融資をしてくれる」と勘違いされて自治体の相談窓口へ来られるケースがよくありました。
制度融資とは、自治体が融資をしてくれるのではなく、あくまで、市中の金融機関融資の利用が前提です。なので、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合 などが融資してくれます。その時の金利の一部を市町村が補助してくれる制度なのです。
そのため、日本政策金融公庫からの融資には適用されません。(こちらは、国が融資をしてくれます)言い方を変えると、現在の日本では、市中銀行の融資(保証協会を使うケースと使わないケースがある)と金融公庫の融資、そしてノンバンク系の3つの選択肢があると言えます。ただ、ノンバンクは利率も高く利用される局面も金融機関から全く借りられないというケースなので、通常は市中の銀行か金融公庫の2択になると言われています。利率に関しては制度融資を活用する場合が一番負担が少なくなると言われています。
制度融資を受けるための、所在条件
では、すぐに制度融資を活用しよう。と思うのですが、ちょっと注意が必要です。
制度融資は自治体の産業振興のための制度ではありますが、その利用には各自治体毎に条件があります。
よくあるのが、その自治体に根付いている企業かどうかと言う視点です。こう書くと、どこまでやれば根付いていると言えるのか?と思いますよね。
多くのケースでは、その自治体に主たる事業場所(本社やメインの店舗)が1年以上ある(法人でも個人事業でも1年以上その場所で事業をおこなっている)ことが条件となるようです。
支店の場合はどうかと言うと、ここは自治体で判断が分かれるようです。本店でないとダメというケースもあれば、支店でも登記がされていればOKというケースもあります。
最近、増えてきているのが、シェアオフィス、コワーキングスペース、ヴァーチャルオフィスです。特にIT系など場所にとらわれない事業の場合の活用が盛んになってきています。主たる事業場所がインターネット上というケースですね。こちらも、自治体によって判断が大きく異なります。全てOKとしている自治体もあれば、ヴァーチャルはNG、全てNGと様々です。
上記で、納税証明書の話をしましたが、納税しているから制度融資を使えるわけではないのです。目を他の制度に向けて見ればわかるかもともいますが、それぞれの制度でその制度の利用資格条件というのは異なります。その自治体の制度上の条件に場所の制約があると捉えてください。
このケースでよく揉めるのが、自治体がOKとしたから良いというわけではないところです。
金融機関でも保証協会でも、オフィス形態(正確には事業実態)については考え方が異なります。ヴァーチャルが自治体ではOKでも、金融機関ではNGというケースもあります。また保証協会は都道府県毎に異なるので、例えばA県が自宅でB県のヴァーチャルオフィスで登記してて、B県C市の制度融資を活用したけれど、B県の保証協会はNGとなり、制度融資は使えず金融機関経由でA県の保証協会でOKがでるということも起こりえます。
このように、シェアオフィス、ヴァーチャルオフィス周りは色々と条件が異なるので、融資を見据えて創業するのであれば、オフィスをどうすればいいかを考えてから進めた方がいいです。すでに起業済でもこの条件に引っ掛かると受けられないリスクはあるため注意が必要です。
ただ、なにがなんでも制度融資を使わなければいけないことはないので、割り切ることも時には必要ですね。
📖 制度融資完全ガイドシリーズ
- 制度融資の基本知識とメニュー選択
- 制度融資とは何か?4つの基本メニューの選び方
- 利用条件とオフィス形態の注意点
- シェアオフィス・ヴァーチャルオフィスでも使える?
- 金融機関選択と申し込み実務
- どの金融機関を選ぶべき?申し込みの進め方
- 審査プロセスと融資後の注意点
- 審査にかかる時間は?融資後に気をつけることは?
- 今後公開予定:「制度融資で困った時の対処法【実践・トラブル編】」
- 審査に落ちた場合の対処法
- 金融機関との交渉のコツ
- 自治体による制度の違いと使い分け
- よくある失敗例と成功のポイント
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