東京都の予算から見るこれからの流れ

2023-02-25移働する診断士

今日は、所属している協会の会合でした。その場で、東京都の予算編成の話がありましたが、そのなかでこの流れを見ているとこれからどのような分野が手厚くなるのかが見えてくるという話がありました。確かに、診断士として独立してから政治・行政の動きを追う事で見えてくるものが多くあるなと感じるようになりましたね。もっとも、これを生業にしているので、常にウォッチしていかないとではありますが、会社員時代はニュースで流れてくるのは追いつつも、実際の仕事や生活にそこまで深く関わるイメージを持ってはませんでした。ここの意識が変わったのが、診断士としては一番大きいですね。

さて、そんな令和5年度の東京都予算を見ていきましょう。

東京都のサイトより

東京都のサイトでは8つの柱で整理していることが書かれています。このうち、中小企業経営に直接的に関係がありそうなのが、「Ⅳ世界から選ばれる金融・経済・文化都市」でしょうか。

「SusHi Tech Tokyo」(Sustainable High City Tech Tokyo の略だそうな)事業では、東京のデジタル都市としての魅力を発信していくことでDXを推し進めていこうという思いが見えます。この中で特に気になったのが、「リアル」と「バーチャル」のハイブリッドというのが今の時代を表していますね。

「国際・観光都市東京の実現」では、観光都市東京として、観光業を中心としたデジタルを活用した東京の魅力発信とあります。インバウンド需要が当面?の日本の産業を支えていくことは既定路線なんだと思います。日本の外国人訪問者数は2000万人を目指していますが、一番多いフランスやスペインでは8000万人がインバウンドとしてきているそうです。日本特有の文化面に魅力を感じている人は世界中に多くいます。これらの人に訪れてもらうことが日本経済の立て直しに有効なのは事実です。そのために観光業やインバウンド旅行の消費を呼ぶ各種小売業に対しての施策がいくつも掲げられていました。これまでは、インバウンドは関係ないと考えていた中小企業の方も、これを取り込まない手はないと思います。「東京の食の魅力発信プロモーション」は飲食関連の事業者様が使えそうですし、「ファッション・アパレル産業活性化促進事業」は日本初のファッションに関わる事業者様向けになります。この二つだけでも観光業以外でインバウンドを取り込める可能性を感じます。

「スタートアップが躍動する東京の実現」では日本初スタートアップの世界展開を視野に入れたエコシステムを作ろうという内容に多数の予算を割り振っています。これは、日本企業が世界で活躍しにくくなっている現状を考えると、東京というインキュベーション施設を提供することで、なんとか改善していきたいということの表れなんではないでしょうか。このスタートアップの箇所を読んでいくと、スタートアップと並んで創業についても明言されていました。スタートアップ=創業というニュアンスでしょうか。(これを見るとスタートアップの定義がここでは何を指しているのかは気になりました)特に、中小企業では経営者の高齢化も問題一つとなっています。これに合わせてコロナで産業構造が大きく変化している中では、言い方が乱暴ですが企業の新陳代謝も必要になってきます。そのためには創業する人を増やしていく必要があるということです。ちなみに、歴史がある企業でも、M&Aにより若手創業者へ売却することで会社全体が若がえりを図れるというのもあります。

「国際金融都市の実現・外国企業誘致の推進」ではフィンテックを中心に金融関連の水準を海外と同レベルにしていこうという動きに見えます。そして、「中小企業支援による経済活動の活性化」はDXやグリーン対応がありますが、何よりも規模の大きいのが融資関連でした。これは、コロナの影響がまだまだ続いているため、引き続き融資のための保証料補助が必要ということでしょうね。最後に、

今日は、アウトライン的な部分をかきました。また中小企業向けのところを深掘りしていきたいと思います。