診断士は息の長い仕事なのか
2月の頭は、診断士試験の合格発表でした。気がつけば取ったのはもう5年前で、あの頃の新鮮味がすっかり抜けてしまった気がします。(もちろん、毎日出会う事業者様から聞くお話は新鮮なものだらけですが…)
私は診断士の資格取得に結構時間がかかったので、取るまでに合格のための情報を得ようとWEBや本を必死でみてたのを思い出します。あの頃は出題傾向とか、合格率とか、試験を受ける場合のジンクスとか、色々と気にしたものです。ただ、資格とってしまってからは全く別世界になるので、そんな情報とはすっかりご無沙汰ですね。
ちなみに、今年の合格者数は1625人、合格率18.7%ですか。私が受けてた頃は合格者は1000人に行くか行かないかだったので、ずいぶん増えたもんですね。因みにこの合格率は二次試験だけで、一次は科目合格もあるのであわせても20%ぐらいだったと思うから、トータルの合格率はまぁ…そのくらいと言うことですね。
この診断士という資格、士業ではあるのですが独占的にできる仕事ではないんですね。ここは他の事業と大きく違うところです。気象の支援に関わる始業を見渡すと、人事、会計、法律などなどそれぞれ特化した部分で専門の士業の方が登場しますが、これら全体を俯瞰する立場にあるのが診断士だからというのもあるのでしょうね。それ故、足の裏の米粒な資格だなんて言われていた時期も長くありました。わたしが診断士に合格した時期もまだそういう流れはあったと思います。
この流れが大きく変わったのは、やはりコロナだったと思います。コロナよりちょっと前に私は独立したので、当初は不安でしたが診断士として最初に学ぶことが多い時期にコロナのための支援経験ができたことは大きかったと思います。
もう一つ、他の士業と異なるのは、最初から診断士になる人が少ないことでしょうか?診断士試験を受験する人々の傾向を見ていても、ボリュームゾーンは40代〜60代と少し高齢です。これは、経営という分野がメインなので多くの経験(会社経験、社会人経験、特殊な経験)を必要とするところがあると思います。
わたしも資格取ったのが40代になってからでした。(ホントは30代に取りたかったのですが、前述の通り経験が足りなく・・・汗)多くの診断士と同様で、資格取得直後は会社勤めしていました。ただ、私の場合は独立前提で資格受験していたので、すぐに独立する準備はしていました。さて、この40代は診断士の世界では、先ほどのボリュームゾーンに照らし合わせるとまだまだ若い方に当たります。この感覚も独特ですね。とはいえ、診断士になってしまえばあまり年齢は関係ないというのも半分は当たっているように思います。経営者に伴走する立場なので、どれだけのその経験をしたかということが重要ですし、独立ということは自分の腕で食べていかないといけないので、年齢よりも経験が重要だと感じています。じゃぁ、経営経験あったのかと言われれば、それはありませんでした。ただ、会社員経験はありましたし、実家が会社経営していたことや、もともと新しいこと好きだったので仕事以外でもいろんなところに顔を出すことで、色々と知ることができたのは、独立して財産だったと感じるところです。
日々この仕事をしていると、経営者の多くの方でもそこまで見ない自社の確定申告書類や登記などをほぼ毎日見ていますし、経営者のお話を日に何社も聞くことになります。ちなみに、いずれの書類も見るというより読むという感覚ですね。読んで理解して自分なりの判断をしていく。その一つ一つが、経験にはなってくるので全体から俯瞰して見る力はつきます。ただ、あまり見すぎて自分の頭の中でパターン化をして固定概念で物事を判断するようにもなる可能性があるので、そこは注意しようと常に新しいものに目を向ける癖もついていきます。診断士の他の先生方を見ていても、新しいことに貪欲だなって感じますね。
知識が売り物になる商売なので、自分を常にバージョンアップしていければ診断士は息の長い仕事だなと感じています。定年もありませんしね。とはいえ、頼む側の意識もあるので、自分と同年齢の人と共に歩んでいく傾向はあるかな。
今回は、診断士試験の合格発表から、診断士という資格自体についてちょっと思うところ書いてみました。今回診断士試験に合格された皆さんおめでとうございます。いま、早い方は実務補修の真っ只中と思います。診断士の仕事に答えってなかなかないのですが、実務補修は自分のスタイルの原点にもなっていきます。ただ、それだけではないのでぜひ、自分なりの診断士を目指していただければと思います。まずはスタートライン、これからが楽しみですね。