国際オープンセミナーが開催されました

移働する診断士

昨日は、東京都中小企業診断士協会主催の夏恒例のオープンセミナーが開催されました。リアル開催されるのが2019年以来で、なんと4年ぶりになります。それだけ、コロナの期間が長かったということですね。

毎年特定のテーマで開催されるセミナーで、前回リアル開催した2019年の時は中国リスクをテーマに貴重なお話を聞けましたが、あれから4年で、世界情勢はだいぶ変わったと感じています。今では、中国リスクは高まりつつもロシアの脅威も大きくなりましたし、それに加えた原油物価高と日本経済の停滞も相まって、海外へ渡航することがさらに難しくなって来ています。

さて、今回のオープンセミナーのテーマは、インドネシア、マレーシア、シンガポールを中心としたアセアンの経済状況を知るということで、その方面の専門家の方にご講演いただきました。日本企業にとって現地進出するにあたって、どういう分野が今後伸びそうかといったことや、今後の政治動向(特に、インドネシアは来年春に大統領選挙がある)などがおおまかな内容でした。

私も、ちょうどこの一年、インドネシアに関わって来たことと、直近でもジャカルタへ足を運んだことから、現地で体感したこと合わせながら頭の中で整理しながら話を聞けたので、とても良い期間でしたね。

印象深かったのは、アセアンと一言で言っても、山のアセアンと海のアセアンに分けられ、その両者でくっきりと特徴が分かれていることでした。山のアセアンは、インドシナ半島部分である、ベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマーを指していて、植民地化がされて来たものの、全体的に西欧化が少し遅れて来ている地域で、宗教も仏教の影響が強く少し保守的な民族性なのが特徴で、海のアセアンは海側である、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ブルネイ、フィリピンで、古くから海のシルクロードして他国文化を受け入れて来た地域にあたります。そのため、宗教もイスラム教やキリスト教が主で、開放的な民族性である部分が特徴だそうです。私が東南アジアで行ったことがあるのは、ベトナムとインドネシアだけですが、同じ東南アジアでも確かにだいぶイメージが異なりました。

そして、海のアセアン地域は経済発展がこれから進む地域であるところ。特に中間所得層の数が急激に増えていて、その層の購買力は無視できないとのこと。これは確かに現地にってみてもとても感じました。まだまだ、日本に比べると所得は低い状況ですが、今後の成長するアセアン地域と、長い間成長が止まっている日本。いつか追いつかれ抜かれてしまう可能性も拭えないと感じました。そうならないためにも、日本経済を良い形で再始動できることを考えるのも、国際派診断士の役割なのでしょうね。

その後は、夏の納涼も兼ねた懇親会ですが、私は実はこの場に参加するのは初めてで、国際派診断士が一カ所にこんなにもたくさん集まったことに驚きつつ、さまざまな国の話が聞けたのが有意義でした。診断士というと、他の士業とことなり、企業出身者が多くいるのが特徴なのですが、さらに、「国際派」の方々は、私のように実際に企業で国際経験がない人間の方が稀で、その多くの方は何かしらの形で、海外と関わっています。なので、その地域も地球をほぼカバーすることができるのです。実際に、会の途中で、それぞれが得意とする地域について、テーブルの配置を地球に見立てて別れることになったのですが、地球上のすべての地域を網羅できていたのは、さすがとしか言いようがないと感じました。もう一つ、面白かったのは、いつもはオンライン上でお会いしていた方々とリアルで初めて会う機会だったところです。不思議なのが、オンラインではきちんと画面を通して顔を見せてはいるのですが、実際に会ってみると、意外と雰囲気が異なる方が多数で、私も同じようなことを言われました。画面での限界というのがあるかもしれませんね。