SDG’sの先の先

移働する診断士

今年最初の城南国際部主催セミナーが無事に終わりました。
この数年ずっとオンライン開催だったのですが、ようやくのリアル開催でだいぶ日常が戻ってきた気がしています。(この日常が戻ってきたという言葉、最近至る所で書いている気がしますが、それだけ実感しているということですね)

私はというと、冒頭のご挨拶担当でオンラインで多くの人前で話す機会は多かったため慣れていたのですが、リアルはこの数年全くなかったのでかなり緊張しましたね。思い起こすと約4年ぶりぐらいだったのではないかな。

さて、主催セミナーは年4回あって、その第1弾ですが定員いっぱいの会場で参加された方々と講師の対話で進む内容で、幸先のいいスタートを切れたと思います。そして、今回のテーマが「ポストSDG’s」。今ではすっかり定着したこのSDG’sをキーワードに、世界が同じ目標を持った1948年の世界人権宣言から振り返りつつ2030年以降の社会を考えていきました。

さて、「SDG’s」(私は「エスディージーズ」と読んだんですが、講師の方は「エスディージー」と話してたのがちょっと気になった)を改めて説明すると、

人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標

日本ユニセフより

ということで、17のゴールとそれぞれのゴールごとに複数のターゲットが定めれています。これだけSDG’sが人々の中に浸透したのは社会全体がこれに取組もうとしていることが大きいのですが、その一番の要因はそれぞれのターゲットの進捗を図るための具体的な指標が提示されているからだそうです。

特に、企業にとっては定数的な目標を与えられると取り組みやすくなる傾向がありますね。

さて、経営的な観点で言うと、SDG’sはどういった意味があるのでしょうか?
一番大きいのは「これに取り組んでいる企業であることを示すことで信頼度が上がる」と言う部分になります。だから取り組むの?と言う言い方もできますけど、逆に取り組まなければまずい状況にあるとも言います。と言うのも、SDG’s自体が社会全体で取り組んでいく中で、それぞれの企業に対してもこれに貢献することを求めているからです。特に数値目標は様々なステークホルダーが協力していかなければ達成など無理なものです。なので、「SDG’sなんか取り組む余裕ないよ」といっているうちに、社会から取り残されてしまい、取引先から取引を断られてしまうかもうせいもないとは言えないわけです。

一方で、経営支援の観点から言えば、中小企業でも事業計画を立てる場合にはSDG’s的な視点に立って、取り組むことが有効になってきました。事業計画では中長期的な視野で社会の動きを見据えて外部環境として計画を立てていきます。この時に、社会がどう言う方向に進んでいくかというと、SDG’sの方向へ進んでいくからです。

ただし。SDG’s自体が2030年までの到達目標と謳っているので、あと7年で一旦の区切りがついてしまいます。長期的な事業計画では2030年以降の社会を見据えていくことが必要になるわけです。

では、どう言う社会になっていくのでしょうか?

・・・・の前に、SDG’s自体がなんだったのかと言う振り返りも必要そうです。昨日のセミナーではそこから紐解くために、世界人権宣言から歴史を振り返っていったのです。なぜ、世界人権宣言からかと言うと、世界のすべての国々を巻き込んだ取り組みというのが二次対戦直後の1948のこのタイミングからだったそうです。20世紀はの後半は開発の歴史だったと言えます。日本もそうですが、世界中が豊かで近代的な生活を目指して「開発」を行ってきました。しかし、21世紀は確かに開発が進んでいる面もありますが、あまりにも経済優先の開発で崩れてしまったバランスを戻すためにSDG’sが国連で採択されたと言えます。しかし、このSDG’sでさえも、まだまだ発展途上なのではないか?というのが昨日のセミナーの主題テーマでした。

セミナー自体はものを教えてもらうためではなく、講師と一緒に考えるためのものというのを感じたセミナーでした。

そして、このテーマを今後もシリーズで取り上げて欲しいという声もありましたので、ちょっと考えていこうと思いました。