計画を作るということ(その6):バックキャスト

2023-02-02移働する診断士

新年気分の一月が、あっと言う間にすぎ2月が始まりました。年初に今年はこうしたいと立てた想いを見直すいいタイミングでもありますね。

さて、今回はいよいよバックキャストについてです。実はこのことを書きたくてシリーズ書いて来た感もあります。

このバックキャストは、前回のフォーキャストと逆の発想法で、未来のこうしたいというゴールから今へ遡るやり方になります。なので、ゴールを明確にしておくことが前提です。このゴール設定はこれまで説明して来た内容と同じですが、この時の設定の仕方としては、経営理念やビジョンを言い換えて〇〇年にはこうなっていたいというのを考えます。そのゴールに到達するにはどうしたら良いのかを考えるのがバックキャストとなるわけです。

例えば、今商店街で家具販売を手掛けてる会社があるとします。商店街自体に人通りが遠退き売上も減少。このままでは今後事業を、継続することに不安を感じています。

この会社の経営理念は「人々に温もりある生活を」としていたとします。この時、経営者の方が原点に立ち返って3年後には、多くに人々にこの理念の実現として、温もりある生活を直接届けたいと考えて、家具を売るのではなく、「家具に関するトータルサポートをおこない、温もりある生活体験を提供できる」会社にしように設定したとしましょう。

このためのビジネスモデルとして、今までは「店舗に来る来店客に最適な家具を売るだけ」から「人々の家具に対する悩みを店舗だけでなくオンラインでも対応し、必要であれば出張サービスもおこなうことで実現する」とした場合に、現状とのギャップを埋める方法を考えていきます。
もちろん、この時に売上などの数値目標も設定した方が実現度は高くなります。

これを実現するためには、会社になにがあったらいいか(今あるものは気にしなくていいです)を考えていきます。その切り口として、有形資産であるヒト、モノ、カネはもちろん、会社としての無形資産にも注目したいと思います。無形資産といえば、知名度、経験・ノウハウ、情報、そしてネットワークです。
これらの経営資産があればその目標を実現できるというところを見極めるのです。
例えば、家具店であればオンライン対応のための知識はほとんどないけれど、店舗の上の貸しているフロアーにIT企業と広告屋がいたな。社員は三人いてそれぞれ家具のメンテナンスができて知識も豊富、昔はこの地域で家具といったら当店という知名度もある などですね。

ここまで明確になると(今回はさらっと書いているので簡単そうに見えますが、やりたいこと(価値創造とも言います)、ビジネスモデル、経営資源をだすのに、それぞれコツがいるのでそれはまた別の記事で・・・)バックキャストをおこなう事前準備ができてきました。

今度は、今決めてきた、ビジネスモデルと経営資源を会社に取り込むためには、いつぐらいまでにどうしていけば良いかを考えていきます。
先ほどの家具店の例で行けば、仮に3年後には新しい事業が軌道に乗っていると考えて、そこから逆算して1でになにをすべきかを明確にしていくわけです。

  • 社員がアフターサービスのために客先で、家具の悩みを見て解決することができるようにトレーニングする
  • オンライン対応はまずは、2年後には専用システムでお客様とのやり取りをオンライン完結でおこなう。
    1年後にはIT周りを社内で管理できるようにする。2年後には
    当面は、上のフロアーのIT企業にお願いして簡単な仕組みを作る。
  • 広告宣伝は上のフロアーの広告会社にお願いして、SNSなどを活用したものを行う
    といった具合です。(内容は記事のために相当簡単にしています)

さて、では数値目標の達成はどうでしょうか?こちらはフォーキャストをおこなうことで現実的かを見てきます。そこが非現実的であれば。もう一度バックキャストに戻って微調整してフォーキャストに戻って予測してみてをくりかえし実現できそうと自身が納得するところまで落とし込んでいくのです。

大まかな流れはこんな感じです。この流れをまとめたものが、経営デザインになります。次回はこちらの説明をします。